小西 英子(卒業生|2020年 3月卒)
住宅設計⇒専業主婦⇒作業療法士
私は住宅設計の仕事をした後、13年間の専業主婦を経て43歳で入学しました。当時、子どもは小学2年生と小学5年生。まだ手のかかる年頃でしたので、何度も足踏みをして迷いましたが入学を決めました。
作業療法士になりたいと思った理由は、子育てをする中で人の成長に関わる仕事に興味をもったことと、幼い頃から手先が器用で物作りが好きな性格を活かしたいと考えたからです。
実際、入学してみると、授業に加え課題も復習もあり、初めの頃は家事・育児との両立にてんやわんやの日々でした。長い間専業主婦でしたから、自分のことより家事・育児を優先するのが当たり前になっており、自宅ではなかなか勉強が出来る環境を作れずに悩みました。しかし、将来の仕事に直結する勉強ですし、育児を理由に自分への投資を無駄にはしないと決心し、家族の協力も得て徐々に生活を変えていきました。私自身も勉強する時間や場所を工夫し、通学途中や早朝にファミレスで勉強したりしました。
授業は、身体のことを学ぶ生理学、解剖学、運動学などとても新鮮で、臨床現場で活躍されている先生方の講義もとても興味深いものでした。年齢が違うクラスメイトたちと上手くやっていけるか不安でしたが、少人数であるのも手伝い、補い合いながら進めることができました。計6回の実習では、授業で学んだことに加えて、今までの職歴や主婦の経験が役に立つことも多く、作業療法士は自分を活かせる職業だということをあらためて実感できました。
専門的な知識だけでなく、今まで自分が何を大切に思い、どのように考え生きてきたのか、そのすべてがこの職業に生かされる、作業療法はそんな仕事だと思います。入学前は年齢のことや、前職とは違う分野ということでかなり迷いましたが、良い出会いに恵まれ頑張ることができています。あとは国家試験合格を残すのみですが、覚悟を決めて一歩を踏み出して良かったと思っています。