卒業したらぜひ! ~東京都作業療法士会からのお誘い~
9月の日本作業療法士協会誌に2014年度の会員統計資料が掲載されています。それによると、2015年3月31日現在の会員数は49,841名で、有資格者70,676名の約70.5%の会員組織率であることが示されています。
協会の活動は国民の健康と福祉の向上に資するために、作業療法士の学術・技能の研鑽及び人格の陶冶に努め、作業療法の普及発展を図ることです。そのために、厚労省への作業療法士活用の請願なども行っています。このような時に組織率の高さが力になりますので、学生さんには免許取得後の協会への加入をお願い致したいと思います。ちなみに日本理学療法士協会の組織率は約80%です。
協会は第2次5か年計画を策定し、医療5割、地域5割の作業療法士の配置を実現するために5.5計画を掲げています。現状7割以上が医療分野に勤務しており、地域5割の目標達成はまだ遠い状況にありますが、生活行為向上マネジメントをツールにして各自治体が実施する地域包括ケアシステム構築関連事業への参画を開始しています。
東京都は区市町村に向けた支援として、各自治体が計画する介護予防教室や短期集中訪問型リハサービスなどの実施に対して、リハスタッフを派遣する事業を開始することにしています。この事業は都内12か所にある地域リハ支援センターが拠点となり区市町村へ人材派遣するのですが、人材の提供に関して東京都作業療法士会、東京都理学療法士協会、東京都言語聴覚士会が協力することになりました。
都内の協会員数は2,876名で福岡県の3,063名に次いで全国2位に位置していますが、人口10万人に対する比率では、最下位の埼玉県21.5人に次ぐ21.6人で下から2番目です。
今後、都内各区市町村から派遣要請が出されることが予想されます。そうした場合、作業療法士だけでなく理学療法士、言語聴覚士を合わせてもとても賄えません。協力頂ける組織との連携が必要になります。
東京都においても東京都医師会への委託事業として多職種連携連絡会議を開催し、医療と介護の連携強化を推進しています。この会議には医療系団体と介護系団体に加え、当事者・家族の団体や老人クラブなど様々な組織が参加しています。東京都作業療法士会にはこのような団体の方々と協働する能力が問われています。
地域に職域を拡大し作業療法を発展させていくには、個々の作業療法士が多職種スタッフと上手くコミュニケーションできることが必要です。学生さんには様々な人と話す機会を持って、この能力を高めて頂くことを期待します (文:TY)。