東京YMCA医療福祉専門学校

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実習への思い ~精神領域編~

2020年08月04日

★オンラインオープンキャンパスも実施しています★

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facebookに「臨床実習COVID-19対応 検討共有グループ」という、コロナウイルスが終息していない状態でいかに学生さんに意味のある実習を提供するのか情報交換するグループがあります。

先日そちらで本校の取り組みを報告しましたので紹介させて頂きます。

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コロナウイルスの影響で臨床(病院)での実習が難しい状況になってしまった春先。

在宅実習開始前に精神領域の教員同士でどう進めるかを話し合いました。
zoomを使い何かやろうとも考えましたがどうもしっくりきません。
そこで実習の本質とは何かから考え始めました。


我々がどうしても残したいものは何なのか、学生たちに伝えたいものは何なのか。
そこから出た答えは「他者を支援する難しさや楽しさを経験すること」でした。そして「模擬的な何か」は有用ではありますが、本質ではないため補足的に使うことにしました。

意味のある面接や意味のある評価計画にするためには、実際の対象がいなければ「実習のための作業」という範疇を出ません。
この状況下で実際に援助する経験を得られる唯一の方法は「家族支援」でした。
同居人がいない学生には教員が対応することも考えましたが、幸い本校にはいませんでした。
完全に健康な人はほとんどいませんし、健康だったとしても少なくとも何らかの課題は各々持っているはずです。
必然的にリアルな課題に対しての意味のある関わりとなり、学生たちのモチベーションも上がったように思います。


さらに幸運なことに家族への関わりはナラティブにならざるを得ません。
作業療法だから。精神領域の実習だから。少人数制だったから。御家族の理解があったから。様々な要素が後押ししてくれました。
学生と教員で試行錯誤しながら進めてきましたが、学生たちは様々な興味深い関わりを行ってくれました。

・自宅待機で元気のなくなった祖父母の意欲面を改善するため孫同士で連絡を取りアプローチした学生。

・昔からのアルバムにある写真を家族で思い出話をしながら一緒にデジタル化した学生。

・代々伝わる味を伝承し母親と梅干づくりをした学生。

・80代の祖母がインスタグラムに興味を示したのでそこにアプローチし、実際に「映える写真」を毎日インスタグラムに投稿するという習慣を引き出した学生・・

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彼らは私たちの予想もつかない支援を行い、意味のある作業を見つけ出し、創意工夫して支援する難しさと楽しさを経験することが出来たようです。

また補足的に事例検討やプログラム検討、文献課題なども行い毎週zoomで共有しました。

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今回、精神領域では意味のある実習を試行錯誤していましたが、学生さんたちもそれにしっかり答えてくれました。また近々、身体領域の実習も紹介されるかもしれません(^^

オンラインでの実習は業務量が大幅に増えるのですが、学生さんたちの成長を感じ、苦労が報われた気がしました。(教員K)

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